NO114 伊勢沢

2007、08、23 単独
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今日のスペシャルを何枚か見て下さい。
↓大滝の前衛滝F3だ!このクリアーが一番のカギ。
↓ここでビビッて敗退する様では「俺の山紀行」の名がすたる。
(果敢にシャワーにてアタック!ヤッタネ!)
↓遂に拝んだ「伊勢の大滝」
俺の中滝や大滝に対する常識は全て如何に安全に巻くかにある。
登ろうなんてとんでもない!
↓如何に安全に巻くか!丹沢写真館さまがより安全に
して下さったのだ。写真の見た目より実際はかなり急だ。
(丹沢写真館さま、ありがとうございました!)
↓上の次はこの危ないトラバース。細ロープでも心強い。

真夏の屋外にての運動は例外を除き死の苦しみとなる。
山登りも一般的には辛いものがある。しかし尾根歩きでもコースを選べば
自然林の尾根は涼風が吹き抜け、天然のクーラーである。
ましてや沢登りともなれば、核心部は「暑さ知らず」である。
状況によってはブルブル震える「寒さ」となる。(^^:
俺は最初の頃は当然「沢!アレをやる奴は愚かで命知らずだ」と
決め付けていた。しかし、学習すれば世間が知らない別天地がそこには
ある事を知ることになる。
やみくもに沢へ突入しても即敗退となるだろう。
それなりの学習は必要だ。コース選び、装備も重要だ。
その道に入ってみるとそこには「その道の達人」がチャンとおいでになる。
沢にもルートが設定されている!お助けの工作もなされている!
予備知識の面でもHP先人の方々が「詳細に」(・・で無い人が大半だが)
その沢について教えて下さっている。これがあるからこそ
初めての沢でも踏み込んでいけるのである。
この場にていろんな「沢先人、沢達人」の方々に厚くお礼を申し上げます。
誠にありがとうございます。

神ノ川8:00−伊勢沢出合8:45−F2上9:35−三ノ沢出合10:00
伊勢沢の大滝10:30−ランチー大滝上11:30−原小屋稜線15:40
姫次14:00−袖平山ー風巻ノ頭ー神ノ川公園橋16:30−P16:50

およその山行軌跡(国土地理院の地図を転用しました)

1 昨夜の仕事の後神ノ川まで来て泊り込み。ゲートを8時に出発できた。 2 林道より伊勢沢出合地点の神ノ川に下りたところ。
3 最初は穏やかな沢である。 4 次第に正体を現して来る。
5 F2(12m)。登れる訳がない。左にしっかり巻き道あり。 6 5の上だがここには素晴しい釜があったのに右のガレの押し出しで大半埋まってしまった。(過去にこの辺りまで2回来ている)
7 左岸に崖。下にシカの骨が散らばっていた。崖上の斜面を駆けていていきなり崖になったらシカとてたまらない!(シカばねと化す) 8 7から見た上流。
9 遂にF3に来た。覚悟を決め滝下へ進む。(興奮して滝下の写真がありません) 10 登った滝上から見下ろしている。落ちる水流の左に細い溝状の流れがありそこを登る。(勿論鎖にも掴まる)
11 10の左手更に上る中間部。左手に細ロープもある。 12 更に上。沢靴がピタッと岩床に喰い付き滑る気がしない。
13 12の直ぐ先がこれである。未知なる感動の世界に入る。 14 13の小滝の上右手にガレ沢あり。先人により知り得た大高巻きルートがある。
15 「アーッ!デテキチャダメーッ」 16 別格沢仙人「マシラさん」にして「凄い!の一言に尽きる」と言わしめるこの「伊勢の大滝」。俺が見られるとは思わなかった。
17 至福のランチの後14のガレを登る。左手にこのロープが見える。直ぐ上で右折れし、斜上していく。 18 トップの4枚目と同じです。急斜面だ。(ロープが心強く安心して登って行かれる)
19 18の中央上に登ったあと、今度は横にトラバースの場面。先で右手に登って再度のトラバースは恐くて出来なかった。 20 その恐い場面のそのまた上を巻いてから降りて来た。(逆)今立っている右手に恐いトラバースのルートがある。
21 20の後ろ。大滝の落口が直ぐそこにある。 22 落口。(近寄らないが身の為なり)
23 大滝の上、上流へと向かう。穏やかな流れとなる。もう滝はいいですから・・。 24 そうはいかないのです!左手お助けロープもあり。
25 分岐が出て来るし伏流にもなるし、メモを必死に見るが最早分からなくなる。 26 沢に生える独特の大木が4本並んでいる。
27 この滝は高い。右岸を巻いて抜ける。 28 27の背後。この辺りガンガン登っている。危険では無い。(大いにドキドキはしている!)
29 相当登って来たのにまだ水流あり。しかし遂にこの上で・・。 30 消えたのです。
31 30の上の斜面です。左手の尾根が・・。 32 これです。29はY字であり右俣も同様に消えます。界尾根を(背後の方へ)少し登ると・・。
33 そこは原小屋平〜姫次へ繋ぐ稜線でした。言い知れぬ満足感に浸ったのは当然です。 34 特長あるこの大木。人により「オオッ何回も見て知っているぞ!」と仰るでしょう。(登山道は右手の下方にあり)
35 34の先で登山道に合流し、遂に姫次に至った。 36 袖平山の手前で遡行した谷間が見える。どこか不明だが感無量なり。

トップ 丹沢

あとがき 興味津々の伊勢沢だったが、大滝の巻道や何ヶ所かにある滝については難しいらしい記述を見る。単独ヘボオジンが下手に
強行すれば「帰らぬ人」になり兼ねない。俺には無理だな、止めておこう・・としておいたのです。
そうこうしている内にイガイガさん、丹沢写真館さんの伊勢沢ご紹介・・と来たのです。最早歯止めは外されたのです。
問題はF3の突破と大滝の巻道ルートでありました。丹沢写真館さんがロープ設置と詳細なルート説明。本当に有難く思いました。
大滝上については、5ノ沢出合、左岸より小沢、左岸に滝の見える沢出合、その先に沢床が明らかに違うまた出合・・。
位置を認識しながら進んではおりましたが、結局はドジを踏み原小屋水場に至る右俣を見送って左俣へと進んだのでした。
伏流になったり、ワイヤーがずっと一緒だったり、滝の巻道も明らかにフミアトがあったりで、遡行問題なしと見て進んだのです。
最後の最後の滝上で水が地面に消え、直ぐ上に稜線を感じた時は無事の生還を確信し、成し遂げた喜びに浸りました。
稜線に進みいつもの見慣れた姫次への登山道に合流した時は正に感無量でありました。
参考にさせていただいた先人の皆様、誠にありがとうございました。